文献詳細
特集 産業保健への免疫学の応用
文献概要
■はじめに
特定の抗原と特異的に反応する抗体をハイブリドーマ法によって,単一の抗体細胞のクローンから作らせる技術が,1975年KöhlerとMilstein1)により開発され,ヒトのリンパ球や他の血液細胞の膜抗原に対するモノクローナル抗体が作製されるようになった.従来の,抗原で動物を免疫して得られる抗血清に比べ,モノクローナル抗体は,単一の免疫グロブリンであるため,特異性,親和性ともに高く,細胞膜抗原の分析に有用である.
したがって,種々のモノクローナル抗体を用いて,ヒト末梢血リンパ球とくにTリンパ球との反応性により,機能の異なるサブセット(亜群)を分析することが可能になった.
リンパ球とモノクローナル抗体との反応性は,抗体に蛍光色素をラベルして蛍光顕微鏡でカウントしていたが,工学的に測定できるフローサイトメトリーが開発され,高い精度で迅速に,しかも再現性よく分析できるようになった2).これにより,産業衛生分野でも,各種有害環境要因の暴露による免疫学的影響を,集団で評価することが可能になった.
特定の抗原と特異的に反応する抗体をハイブリドーマ法によって,単一の抗体細胞のクローンから作らせる技術が,1975年KöhlerとMilstein1)により開発され,ヒトのリンパ球や他の血液細胞の膜抗原に対するモノクローナル抗体が作製されるようになった.従来の,抗原で動物を免疫して得られる抗血清に比べ,モノクローナル抗体は,単一の免疫グロブリンであるため,特異性,親和性ともに高く,細胞膜抗原の分析に有用である.
したがって,種々のモノクローナル抗体を用いて,ヒト末梢血リンパ球とくにTリンパ球との反応性により,機能の異なるサブセット(亜群)を分析することが可能になった.
リンパ球とモノクローナル抗体との反応性は,抗体に蛍光色素をラベルして蛍光顕微鏡でカウントしていたが,工学的に測定できるフローサイトメトリーが開発され,高い精度で迅速に,しかも再現性よく分析できるようになった2).これにより,産業衛生分野でも,各種有害環境要因の暴露による免疫学的影響を,集団で評価することが可能になった.
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