icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生56巻3号

1992年03月発行

文献概要

特集 産業保健への免疫学の応用

免疫学の方法と技術—フローサイトメトリーの応用

著者: 相澤好治1

所属機関: 1北里大学医学部衛生学公衆衛生学教室

ページ範囲:P.152 - P.154

文献購入ページに移動
■はじめに
 特定の抗原と特異的に反応する抗体をハイブリドーマ法によって,単一の抗体細胞のクローンから作らせる技術が,1975年KöhlerとMilstein1)により開発され,ヒトのリンパ球や他の血液細胞の膜抗原に対するモノクローナル抗体が作製されるようになった.従来の,抗原で動物を免疫して得られる抗血清に比べ,モノクローナル抗体は,単一の免疫グロブリンであるため,特異性,親和性ともに高く,細胞膜抗原の分析に有用である.
 したがって,種々のモノクローナル抗体を用いて,ヒト末梢血リンパ球とくにTリンパ球との反応性により,機能の異なるサブセット(亜群)を分析することが可能になった.
 リンパ球とモノクローナル抗体との反応性は,抗体に蛍光色素をラベルして蛍光顕微鏡でカウントしていたが,工学的に測定できるフローサイトメトリーが開発され,高い精度で迅速に,しかも再現性よく分析できるようになった2).これにより,産業衛生分野でも,各種有害環境要因の暴露による免疫学的影響を,集団で評価することが可能になった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら