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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生56巻3号

1992年03月発行

文献概要

特集 産業保健への免疫学の応用

産業保健におけるアレルギー学的対応

著者: 中村晋1

所属機関: 1大分大学保健管理センター内科

ページ範囲:P.160 - P.166

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■日常生活環境における感作性物質の意義
 われわれの生活環境には種々の感作性物質が存在する.生体がかかる感作性物質(抗原)に一定期間繰返し曝露されているうちにマクロファージがこれを取り込み,非自己と認識すると免疫情報はまず胸腺由来のリンパ球(T細胞)へ伝えられる.これはさらに骨髄由来のリンパ球(B細胞)へ伝えられ,B細胞はT細胞との間における促進と抑制のコントロールの下に分裂増殖を繰り返し,免疫グロブリンに属する液性抗体(IgA,IgG,IgM,IgE)を生ずる.以前から即時型アレルギーを惹起することで知られた感作抗体reaginはIgEに属し,鼻粘膜,気管—気管支粘膜,消化管粘膜,皮膚など反応標的臓器の肥満細胞表面に固着し,一部は流血中好塩基球表面に分布する.一方T細胞からは細胞抗体として働く感作リンパ球が産生され,遅延型アレルギー発現に関与する.このような抗原物質の一次刺戟によって抗原特異性をもった抗体が産生され,免疫応答の準備が完了した状態を感作sensitizationと呼ぶ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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