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アニュアル・レポート
衛生学の動向
著者: 糸川嘉則1
所属機関: 1京都大学医学部衛生学
ページ範囲:P.191 - P.193
文献購入ページに移動日本衛生学会の歴史は古く,その起源は明治23年の第1回日本医学会にさかのぼる.しかし,衛生学を専門とする研究者が全国的な規模で学術集会を持つようになったのは昭和4年,衛生学,細菌学,伝染病学が連合した連合衛生学会として,東京帝国大学横手千代乃助教授を会長として発足した時が最初である.以後,終戦後の昭和20,21年の両年に中止された以外は毎年1回開催されている.そして昭和24年より細菌学会.伝染病学会から分かれて,日本衛生学会として独立した学会となった.
一方,本学会と関連の深い日本公衆衛生学会は,昭和22年に発足している.この両学会は,これまで極めて協調的に運営されてきたと思われる.すなわち,学会の開催時期は原則として衛生学会は春期に開催され,公衆衛生学会は秋季に開催される.そして,日本衛生学会が主として全国大学医学部や医科大学の衛生学,公衆衛生学講座に在籍する研究者の業績発表の場となっているのに対して,日本公衆衛生学会はこれのみでなく,衛生行政関係者の研究を発表する場にもなっていて,それぞれ特徴を持った学会運営が行われている.
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