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保健行政スコープ
骨髄バンク事業の開始について
著者: 淺沼一成1
所属機関: 1厚生省保健医療局疾病対策課
ページ範囲:P.222 - P.223
文献購入ページに移動一部の白血病や重症再生不良性貧血の治療法として,骨髄移植が近年行われており,その治療成績は確実に向上している.しかし,骨髄移植を行うためには,患者と一致するHLA型(白血球の型)を持つ骨髄提供者(ドナー)がいなければならない.HLA型は,血縁者の中で一致する確率が高い兄弟姉妹においても4分の1の確率にすぎず,兄弟姉妹の少ない現状では多くの場合,非血縁者に頼らなければ骨髄移植を受けることができない.そこで,広く国民一般から善意に基づいた非血縁者のドナーを募りHLA型を登録して頂き,そのデータに基づいてHLA型が適合する患者には誰にでも骨髄液を提供していただく方を探す骨髄バンク事業が,日本赤十字社の協力を得て(財)骨髄移植推進財団により開始されることとなった.本稿では厚生省および財団の骨髄バンク事業の取り組み状況についての概要を記す.
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