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特集 保健医療計画における地域精神保健システム
地域精神保健システム構築の視点—精神分裂病圏の障害者を中心に
著者: 伊東嘉弘12
所属機関: 1北海道精神保健推進協会 2札幌デイケアセンター
ページ範囲:P.239 - P.242
文献購入ページに移動社会が何によって変わるか,といった根源的な問いかけをするつもりはないが,社会のあり方に何か変革が起きるにはそれなりの社会的圧力があってのことであろう.さきに入院患者の人権と精神障害者の社会復帰を主な課題とした精神保健法の改正を終え,まもなく改正5年後の見直しの時期を迎えようとしているいま,改めて地域精神保健が課題となる社会的圧力について考えてみたい.しかし,このことは精神保健の理念に関わることであり,精神保健法や公衆衛生審議会の中間意見との関連で他に論じられると思うので,ここではいささか恣意的であるが,いま精神保健の改革に着手すべき時が熟している状況について述べてみたい.
わが国の入院患者の約30%がいわゆる社会的入院であるという報告1)と,一方米国においては脱施設化政策が押し進められた結果,都市におけるホームレスの約3分の1を精神障害者が占めるにいたったという報告2,3)は,わが国においてはしっかりした地域システムを構築することが肝要であり,急務であることを否応なく明示している.
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