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調査報告
豊川水系流域における横川吸虫の中間宿主寄生状況調査
著者: 山田靖治1 奥村正直1 石川直久1 磯村思无1 藤平昇2 木村正雄2 寺尾允宏2 對尾征彦3 伊藤正夫4
所属機関: 1愛知県衛生研究所 2愛知県衛生部環境衛生課 3岡崎保健所 4小牧保健所
ページ範囲:P.290 - P.294
文献購入ページに移動寄生虫卵保有率は,学校検診の結果を見ても受検者中の1%を越えることがまれとなってきている.愛知県でも昭和51年の0.8%から昭和62年には0.3%と虫卵保有率が減少した.しかしながら,昭和58〜61年における寄生虫卵保有率の調査によれば,設楽,新城保健所管内で虫卵保有率が非常に高く(図1A),横川吸虫卵は鞭虫卵に次ぎ高い割合で検出された(図1B).この地区は三河山間部,豊川流域に位置している,加藤(1955)1)によれば豊川流域は,愛知県下の河川流域のなかで淡水魚に対する横川吸虫メタセルカリア寄生の濃厚感染地であることが指摘されている.近年,長瀬ら(1979)2)は豊川水系を中心として,その中間宿主である淡水魚について調査し,一尾あたりのメタセルカリア平均寄生密度が,ウグイ324隻を最高に,ついでアブラハヤ167隻,カワムツ94隻,オイカワ91隻,アユ11隻であったと報告している.
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