icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生56巻5号

1992年05月発行

文献概要

特集 健康な住宅

一般住宅における室内環境—現状と問題点

著者: 加藤廣人1

所属機関: 1愛知県衛生部環境衛生課

ページ範囲:P.313 - P.316

文献購入ページに移動
◆なぜ室内環境が問題となっているか
 窓を閉め,石油ファンヒーターに点火する.心地よい暖かさと平行するかのように,デジタルCO2計の数値がぐんぐん上がっていく.ガスコンロに火をつけ炊事を始める.COの数値も上がり始めた.しばらくするとCO2の数値は4,000ppm付近を,COは10ppm付近をウロウロしはじめた.湿度を確認する.60%近くにある.換気をするためガラス戸を20cmほど開けた.ひんやりとした冷気が入ってくる気がする.しかし,CO2の数値は思ったほど下がらない.5分間開けて,やっと2,500ppm程度になった.
 近年,日本の住宅は快適な温熱環境を確保できるようになった.高断熱,高気密化のおかげである.この傾向はさらに進むものと考えられる.省エネルギーの面からもそれは必要なことだ だが,この高気密化が一方では住む人に不健康を生じさせている.仕事に疲れた身体を休ませるための,また家族が安らかに団欒するための場である住宅において,知らず知らずのうちに不健康が生じている.不健康を生じさせるもの,それは室内換気量の減少による室内空気汚染の問題であり,ホコリが堆積し湿気がこもることによるダニ・カビの発生問題である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら