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特集 健康な住宅
住宅の安全と自然換気型住宅
著者: 宇野英隆1
所属機関: 1千葉工業大学工学部
ページ範囲:P.325 - P.329
文献購入ページに移動この原稿を依頼されて,医学に関係のない筆者は,公衆衛生という立場から住まいのことを論ずることは出来ないので,大変迷ったのだが,建築家として,今日の住まいの実情を公衆衛生の専門家に知っておいて頂くことは有意義なことだと思い,ここに敢えて筆を取った.
さて“住まいと健康”の関係は,誰でも,夜は自分の家で寝るということを考えれば,少なくとも人生の3分の1を住まいの中で暮らしていることになるから,これだけを見ても,住まいの環境が人の健康に何らかの影響を与えていることは明らかであろう.
こんなことから,では,どんな環境が好ましいのか? といった疑問も当然わいてくる.また,一寸違った見方をすれば,人の命に影響のある現象としては,あまり注目されてはいないのだが,日常の生活の中で,不注意から事故を起こし,死亡または怪我をするといった“住まいの安全”の問題も見逃せない.
1948年,WHOは健康の定義として「健康とは肉体的,精神的,そして社会的に完全に良好な状態であり,単に疾病や虚弱さがないだけではない」としている.こうなると,住まいも健康のために一役を担っていることになる.快適な,生きる意欲のでる家造りを目指す必要がある.
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