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雑誌目次

雑誌文献

公衆衛生56巻8号

1992年08月発行

雑誌目次

特集 21世紀に向けたヘルスマンパワー計画

わが国のヘルスマンパワーの展望

著者: 古市圭治

ページ範囲:P.524 - P.526

◆はじめに
 わが国の21世紀の健康戦略を考える上でヘルスマンパワーは極めて重要な問題である.
 というのも,超高齢化社会の到来が見込まれることと,かつてない少産化時代にすでに突入しているからである.生産年齢人口が総体的に減少する中で,高齢者の人口の伸びに比例して増大する保健・医療・福祉ニーズへの対応の鍵は,ヘルスマンパワーの確保にあると言っても過言ではない.
 しかしながら,これは保健・医療・福祉のみならずその他の多くのサービスにも言えることであり,就労,家族形態といった国民の生活全般と深く関係している.したがって,職場や仕事の中身に魅力がなければ,保健・医療・福祉の分野に人材を集めることは今以上に困難になっていくであろう.
 一方,提供されるサービスの内容も,保健分野における疾病対策から一歩進んだ健康づくりへの取り組み,入院医療から在宅ケアの促進,かかりつけ医師の確保,インフォームド・コンセント,予防的視点に立った福祉といった,より,国民一人ひとりが主人公たるべき国民本意の保健医療サービスへと転換しつつある.

ヘルスマンパワーのニードと将来像—公衆衛生医師・歯科医師

著者: 外山千也

ページ範囲:P.527 - P.529

◆はじめに
 地域保健活動の中心的役割を果たす保健所において,その中で特に技術的活動を伴う医師,歯科医師の重要性は,ますます高まりつつある.
 表1は,その人数の推移を示しているが,横ばい状態に近く,十分とはいえない.こうした公衆衛生分野に携わる医師,歯科医師の確保については,昭和32年から現在まで,公衆衛生修学資金貸与法に基づき,医学部,歯学部の学生であって,将来保健所に勤務しようとするものに対し,修学資金を貸与するという措置が取られている.それに関連する通知と実績を示す(表2).
 今後両者は質的・量的にどのように変化していくのであろうか.

ヘルスマンパワーのニードと将来像—理学療法士

著者: 奈良勲 ,   杉元雅晴

ページ範囲:P.530 - P.533

◆はじめに
 戦後半世紀,わが国は平和と経済成長が持続し,国民は豊かで安定した生活を送っている.また,栄養状態や衛生状態の改善,医療機関の整備,医療関係者の努力により最長寿社会が現実のものとなった.これに伴い国民の健康に対する関心が高まり医療への要望も多様化し,健康増進や疾病予防からリハビリテーション医療(リハビリ医療)までの広い範囲の良質なサービスを求めるようになってきている.従来の理学療法士は医療分野での活動が中心であったが,これからは保健分野や福祉分野や,それを統括する行政機関への就職が期待されている.そこで,それぞれの分野における理学療法士へのニーズを考え,その将来像を想起する(図1).

ヘルスマンパワーのニードと将来像—作業療法士

著者: 寺山久美子

ページ範囲:P.534 - P.537

◆「作業療法士の需給見直し」から
 表1を見ていただきたい.急激に増加するわが国の高齢化率への対応策として打ち出した「高齢者保健福祉10カ年戦略)(通称ゴールドプラン)」の一環として,国が打ち出した「リハビリテーション活用」のためのマンパワー予測である.平成11年までに現作業療法士(以下:OT)数の3倍以上を作り出す必要があるというわけである.(社)日本作業療法士協会は,「OTのニーズの増大は諸外国の例をみても十分理解できる.否,高齢者,精神障害者,地域リハビリテーションへのOTのニーズは極めて高いのにもかかわらず全く充足されておらず,関係者の間で批難がおこりつつある現状である.そうした事情から15,800人という数はむしろ少なすぎると考える.しかし,急激なOTの増大はOTの質の低下につながる危険が大きい.したがって,OTマンパワーは,質の保証をしつつ,漸増していく方針にして欲しい」という態度を示し,そのための方法として以下の事項を厚生省健康政策局に意見具申した.

ヘルスマンパワーのニードと将来像—精神保健相談員

著者: 三代浩肆

ページ範囲:P.538 - P.541

◆これまでの保健所精神保健活動
 保健所における精神保健活動が積極的に行われるようになって,すでに4半世紀が経過した.そして,精神保健の業務に従事する職員として「精神保健相談員」を配置できるようになったが,専任精神保健相談員の配置を含むマンパワーの充足は,今日なお十分なものではない.しかし,各保健所では保健婦や精神保健相談員によって,これまでに様々な工夫と実践が繰り広げられ地域精神保健活動は拡充してきた(表1).
 昭和40年代の保健所精神保健活動の中心は,精神障害者の疾病性に着目した,早期発見や早期入院治療の促進を図った時期と言ってよかろう.そこで展開された方法は,ケースワークを主とする個別援助活動で,精神障害者の自己決定を可能なかぎり追求しようとする接近であった.

ヘルスマンパワーのニードと将来像—歯科衛生士

著者: 金子ケイ子

ページ範囲:P.542 - P.545

◆はじめに
 20世紀最後の10年を歯科衛生士教育に生きる筆者には,この10年間が21世紀を準備する,とても重大な期間であるとかねがね思ってきた.21世紀の歯科衛生士像も恐らくこの間に暖められ,孵化するのではないだろうか.最近の話題に,聖路加病院の副院長に総婦長さんが抜擢されたことを知り,医療の枠組みやシステムが確実に変わっていることを強く印象づけられている.
 幸いにも,35年有余にわたる筆者の教育活動は,ほぼ歯科衛生士のニードに即応した業務の変遷の流れにあたり,その時々の近代化,現代化した歯科界の流れと密接に関連してきた.これを省みずして私たちの未来は展望できないし,21世紀の歯科衛生士像も浮き彫りにはできない.

ヘルスマンパワーの育成と実践—埼玉県立衛生短期大学

著者: 佐久間淳

ページ範囲:P.546 - P.548

◆はじめに
 本学の“マンパワー育成計画”を述べるに当たって,どの範囲までふれるべきか迷いがある.本学は大学の制度を取り入れてからまもなく20年を迎えるが,学生総数は約700人と比較的小規模である.内容は,第1,第2看護学科,衛生技術学科,歯科衛生学科,保育学科があり,看護学科の上に1年制の保健婦と助産婦の専攻科がある.
 そして,本年度から専攻科の学生で大学の課程を経て入学した者は,他の4年生大学で16ないし32単位を取得し,文部省の学位授与機構に申請して所定の審査に合格すると,看護学士の称号が与えられることになった.つまり学位が取得できる4年生大学と同格に認定された.このため,卒業生の進路選択にどのような影響が生じるか,などに注目しているところである.

ヘルスマンパワーの育成と実践—広島大学医学部保健学科

著者: 梶原博毅

ページ範囲:P.549 - P.553

◆はじめに
 わが国は世界一の長寿国であり,そのこと自体は極めて喜ばしいことであるが,急速に進行する高齢化社会は,疾病構造の変化をもたらし,老人医療,地域医療,あるいは福祉医療の重要性がますます大きくクローズアップされている.同時に,急速に発達する科学技術は,医学,医療の専門化,細分化を余儀なくし,医師とともに医療に携わる多種多様な医療技術者の量的および質的な充実が求められている.
 このような社会的背景のもとに,本年4月,広島大学医学部に医療技術系4年制大学教育としての保健学科が発足した.この保健学科の中の理学療法学専攻および作業療法学専攻は,わが国では最初の4年制大学教育であり,看護学専攻も,西日本の国立総合大学における最初の本格的な4年制大学教育である.
 一方,わが国の医療技術教育の現状をみると,アメリカはもちろんのこと,東南アジア諸国と比較しても著しく立ち後れた感がある.したがって,ヘルスマンパワー育成の将来計画を考えるためには,まず,現時点でのわが国の医療技術教育の実態を正確に把握し,諸外国との対比において分析する必要がある.

ヘルスマンパワーの育成と実践—藍野学院

著者: 中馬一郎

ページ範囲:P.554 - P.556

◆はじめに
 学校法人藍野(あいの)学院は昭和54年に設立され,現在,短期大学として看護学科(80,以下カッコ内の数字は入学定員数)1学科を,医療技術専門学校として理学療法学科(40),作業療法学科(40),医療秘書・病院管理学科(80),および看護学科(定時制2年課程,40)を設置している.キャンパスのある大阪府茨木市は,大阪市と京都市のほぼ中間にあり,校舎からは継体天皇陵の緑が望見できる.当地は奈良時代から平安時代にかけて藍野と呼ばれ,継体天皇陵の別名も藍野陵であるところから,藍野が学院名として採用された.以下,本学院におけるヘルスマンパワー育成の現状と将来計画について紹介する.

ヘルスマンパワーの育成と実践—宮崎リハビリテーション学院

著者: 大野和男

ページ範囲:P.557 - P.559

◆はじめに
 現在は多種多様のニーズが生まれ,そこにはそれなりの役割を担うマンパワーが求められている.保健医療福祉の領域においても,疾病構造の変化や高齢化の進行によって,従来とは異なった視点からのマンパワーの解決が求められている.ことに,国が打ち出した「高齢者保健福祉10ヵ年戦略」(いわゆるゴールドプラン)の策定によって新たなニーズが顕在化し,これを解決するためのマンパワーの見直しが急テンポで進められている.
 リハビリテーション(以下「リハビリ」と略す)専門職である理学療法士(同じくPT),作業療法士(同OT)の養成定員も従来のおおよそ2倍に,平成7年度までに漸次引き上げられる予定である.
 本学院は,昭和57年4月に定員30人で開設,今年4月で11年目を迎えたが,国のこうした要望に応え,すでに定員60名(1クラス30名の2クラス)に今年4月から増員したところである.
 したがって与えられた執筆分野は「マンパワーの育成の実践計画」とあるが,過去10年間の実践を振り返り,高齢社会におけるPTの養成のあり方を今一度考えてみたい.

トピックス

エイズ—日本の現状,世界との比較

著者: 関根大正

ページ範囲:P.560 - P.564

●はじめに
 エイズ(後天性免疫不全症候群)は1980年代に忽然と登場し,あらゆる治療に抵抗性で,大部分の者が短時日で死に至る原因不明の奇病として人々の注目を集めた.エイズは1981年米国CDC(疾病センター)の疾病週報に,稀な日和児感染症であるカリニ肺炎およびカポジ肉腫の発生として世界最初に報告された.ついで男性ホモ(Homo)にこのような症状を示す者が多数みられることが報告された.さらにハイチ(Haiti)系の人々および血友病(Haemophilia)患者に同様の症状を示す者が多くみられたため,この疾病に関わる因子として3つのHということが言われた.1982年には小児エイズも報告され,1983年には米国のエイズ報告例は2,000例を越し,その原因であると予想される病原体に人々の関心が集まった.1983年パリのパスツール研究所のモンタニエらのグループは,エイズ患者から新しいレトロウイルスを分離しエイズの原因ウイルスとして発表した.翌年米国の国立癌研究所のギャロ,カリフォルニア大学サンフランシスコ校のレヴィらもエイズ患者からのレトロウイルスの分離を報告し,これらのウイルスがエイズの原因であることが証明された.

活動レポート

「楽しくやせる会」を実施して

著者: 駒井恵美子 ,   綿谷明子 ,   佐々木ひろみ ,   猪股順子

ページ範囲:P.565 - P.569

●はじめに
 札幌市北保健所は,昭和59年から成人病の引き金となる肥満予防対策として,グループによる生活行動療法を取り入れた長期健康教育「楽しくやせる会」を実施してきた1〜3).59年から63年までの5年間は,基本健康診査,健康相談来所者中,肥満度20%以上を対象1)にしていたが,平成元年から,一般公募により募集した.平成元年(6期)および平成2年(7期)に実施した結果を報告する.

調査報告

広島県八千代町における高齢者の生活実態に関する調査研究—老人保健福祉計画策定に向けて

著者: 安武繁 ,   南典昭 ,   椎木照子 ,   吉永文隆

ページ範囲:P.580 - P.583

 1.調査研究の背景・目的 厚生省による高齢者保健福祉10カ年戦略(ゴールドプラン)を推進するため,平成2年6月に老人福祉法の改正が行われ,市町村および都道府県は,老人保健福祉計画を策定することが義務づけられた.この計画の策定をひとつの足がかりとして,今後ともより一層保健・医療・福祉などの客施策の総合的な推進を図り,高齢者の多様な需要に有効,適切に対応していくことが求められている.
 平成2年度の広島県在宅老人基本調査結果1)によると,広島県の総人口は2,848,702人で,そのうち65歳以上の在宅高齢者数は359,206人であり,全体の12.6%を占めている.高齢化は県内でも特に山間農村部および島しょ部において進んでおり,これらの地域においては高齢者の保健・医療・福祉の在り方の問題点や今後の課題を検討することは急務であると言える2,3).そこで筆者らは,広島県農村部に属する八千代町における老人保健福祉計画の策定のための基礎資料を得るため,65歳以上の高齢者の保健・医療・福祉に関わる実態と需要を調査した.

報告 公衆衛生学教育のあり方に関する一考察・1

米国の現状と今後の展望を中心に

著者: 山本光昭 ,   山本尚子 ,   青山英康

ページ範囲:P.584 - P.588

1.はじめに
 歴史的にわが国において公衆衛生専門家の果たしてきた役割は大きく,感染症のコントロール,母子保健,食品衛生や上下水道の管理など国民の健康水準の向上に寄与してきた.しかし,現在公衆衛生が直面する問題は,人口構造の高齢化,慢性疾患の増加,エイズなどの新たな感染症対策から地球規模の環境問題まで幅広くかつ複雑になってきている.これらの複雑な問題に取り組む公衆衛生専門家として求められる能力はなにか.また,その能力を高め維持するシステムはどうあるべきなのか.これらの問題を考える上での資料を提供する目的で,今回から3回にわたり米国の公衆衛生学教育の現状を紹介し,今後のあり方を考察したい.第1回は米国における公衆衛生専門家の養成プログラムについて,第2回は公衆衛生専門家の質の確保のシステムについて,第3回は米国の公衆衛生学教育の問題点と今後の日本における公衆衛生学教育のあり方について述べることとする.

保健所機能の新たな展開—飛躍する保健所

四つのオムニバスからの提案

著者: 中俣和幸

ページ範囲:P.570 - P.572

 筆者自身は,臨床医5年,国立公衆衛生院専門課程履修1年,そして実際に保健所勤務となってまだ1年余り,という経緯の持ち主です.したがって,このような形で,皆さんに対してもの申し上げることは,おそらく多くの諸先輩方の感情を害することであり,勉強不足から来る的外れ応答であるかもしれません.この2点をお断りした上で,以下の私見をお読み下さい.

データにみる健康戦略 21世紀への健康戦略—データにみるその目標・2

死の構図

著者: 倉科周介

ページ範囲:P.573 - P.576

 早すぎる死の征伐という点については,日本の社会はずいぶん成功したといえる.結果がみえてから言うのは簡単だが,視界不良だったひと昔か,ふだ昔前までは,不安と焦りが社会の大勢を支配してにぎやかだったものである.だが冷静に観察していれば,そのころから改善の兆候は見えていたのではなかったか.もっとも,今でさえ改善されたという認識が多数派になっていないのだから,見ろというのがそもそも無理な相談なのかもしれない.
 ここで無理にでも見てもらいたいことがある.

保健婦活動—こころに残るこの1例

多発性関節リウマチのAさんとの出会い

著者: 片岡富枝

ページ範囲:P.577 - P.577

 人間が最低限必要とする欲求を,やむなく他人に委ねなければならないということは,想像以上のストレスがかかるものである.私は,多発性関節リウマチで全身の関節が変形を来たしたYさん,(64歳,女性)を思い出す.Yさんには,看護職として考えなければならない「援助の心構え」を学ばせて頂いた.
 Yさんとの出会いは,私が琵琶湖の最北端,人口5,260人余の小さな町に就職してから3年目の晩秋の頃だった.Yさんは19歳からリウマチをわずらったが,教師として教壇に立っておられた.しかしチョークが持てなくなったため,退職された.教師である夫の転勤とともに,県内を転々としながら3子を儲け家事に専念されていたが,関節の障害は急速に進んだ.昭和51年には正座ができなくなり,数年後,人工関節置換術を受ける目的で入院したが,心肺機能が手術に耐えられないということで手術を断念し,夫の故郷である本町に帰ってこられたのだった.

進展する地域医師会の公衆衛生活動

神戸市兵庫区医師会の在宅ケア連絡会・2

著者: 松本憲一郎 ,   森本祐二郎

ページ範囲:P.578 - P.579

在宅ケア部の設置
 兵庫区医師会では昨年,松本会長の提案により「在宅ケア部」を設置した.連絡会が始まって6年,医師会として本格的に在宅ケアに取り組もうという姿勢の現れである.この在宅ケア部は在宅ケア連絡会と表裏一体となって活動を進めている.
 松本 「今度,市内各区の医師会に在宅ケア部を造ろうと提案しました.それにより神戸市医師会の中にも在宅ケア部を設置し,市医師会としての取り組みを始めようというのが目的です.市の行政と関連のある大きな課題については,区単位の動きでは人的,予算的な面も含め十分ではないので,市全体で取り組んでいこうというのです.この4月から動き始めますが期待しています」.

発言あり

心の健康

著者: 石井明子 ,   久保木富房 ,   矢内純吉

ページ範囲:P.521 - P.523

「働く人々の心の健康づくり」
 国立精神・神経センターの藤縄精神保健研究所長を班長とする「職場の精神保健研究会」から「職場の精神保健に関する研究報告書」が出された.それによると,首都圏を中心とする大企業や地方自治体に勤務する40歳以上の男性約5,500人を対象とした調査で,精神的不健康者およびその予備軍と考えられる者の割合は23.5%であったという,また,その割合は高年者より中年者,上級管理職や一般勤務者より係長などの中間管理職に高いとのことである.このことはわが国の企業や自治体にかなり深刻な問題を提起していると思われる.
 新宿の新東京都庁には,約1万2千人の職員が勤務しているが,40歳以上の職員は全体の70%,そのうちの80%が男性であるので,40歳以上の男性職員6,700人の4分の1の1,700入が精神的不健康者またはその予備軍ということになる.

保健行政スコープ

「平成3年度版厚生白書」の解説

著者: 大井田隆

ページ範囲:P.590 - P.591

1.はじめに
 平成3年度厚生白書が今年の3月末に閣議に報告され,公表された.ここでは,厚生白書のメインテーマである「広がりゆく福祉の担い手たち」について解説することとする.
 世界一の長寿大国になり,各自が自分の生活設計や生きがいについて,真剣に考えることが必要になってきた.健やかで生きがいのある人生をまっとうするには,人生に主体的責任をもってかかわることや福祉活動,地域活動などに積極的に参加すること,すなわち「自立と参加」という考え方が重要になる.近年,保健医療・福祉サービスについては,ライフスタイルや価値観に合った民間サービスの提供を受けることも珍しくなくなっている.また,福祉需要に対して,多くの人々が参加していくことも大切であり,長寿社会では,同一人物でもある時は支える人,ある時は支えられる人という構図になることが期待され,こうした中で個人や企業の活動が展開されることが必要である.

基本情報

公衆衛生

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1170

印刷版ISSN 0368-5187

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