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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生56巻8号

1992年08月発行

文献概要

トピックス

エイズ—日本の現状,世界との比較

著者: 関根大正1

所属機関: 1東京都立衛生研究所微生物部ウイルス研究科

ページ範囲:P.560 - P.564

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●はじめに
 エイズ(後天性免疫不全症候群)は1980年代に忽然と登場し,あらゆる治療に抵抗性で,大部分の者が短時日で死に至る原因不明の奇病として人々の注目を集めた.エイズは1981年米国CDC(疾病センター)の疾病週報に,稀な日和児感染症であるカリニ肺炎およびカポジ肉腫の発生として世界最初に報告された.ついで男性ホモ(Homo)にこのような症状を示す者が多数みられることが報告された.さらにハイチ(Haiti)系の人々および血友病(Haemophilia)患者に同様の症状を示す者が多くみられたため,この疾病に関わる因子として3つのHということが言われた.1982年には小児エイズも報告され,1983年には米国のエイズ報告例は2,000例を越し,その原因であると予想される病原体に人々の関心が集まった.1983年パリのパスツール研究所のモンタニエらのグループは,エイズ患者から新しいレトロウイルスを分離しエイズの原因ウイルスとして発表した.翌年米国の国立癌研究所のギャロ,カリフォルニア大学サンフランシスコ校のレヴィらもエイズ患者からのレトロウイルスの分離を報告し,これらのウイルスがエイズの原因であることが証明された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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