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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生56巻8号

1992年08月発行

文献概要

保健婦活動—こころに残るこの1例

多発性関節リウマチのAさんとの出会い

著者: 片岡富枝1

所属機関: 1元滋賀県西浅井町役場

ページ範囲:P.577 - P.577

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 人間が最低限必要とする欲求を,やむなく他人に委ねなければならないということは,想像以上のストレスがかかるものである.私は,多発性関節リウマチで全身の関節が変形を来たしたYさん,(64歳,女性)を思い出す.Yさんには,看護職として考えなければならない「援助の心構え」を学ばせて頂いた.
 Yさんとの出会いは,私が琵琶湖の最北端,人口5,260人余の小さな町に就職してから3年目の晩秋の頃だった.Yさんは19歳からリウマチをわずらったが,教師として教壇に立っておられた.しかしチョークが持てなくなったため,退職された.教師である夫の転勤とともに,県内を転々としながら3子を儲け家事に専念されていたが,関節の障害は急速に進んだ.昭和51年には正座ができなくなり,数年後,人工関節置換術を受ける目的で入院したが,心肺機能が手術に耐えられないということで手術を断念し,夫の故郷である本町に帰ってこられたのだった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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