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発言あり
一期一会
著者: 小泉直子1 染谷四郎2 丸山博3
所属機関: 1兵庫医科大学公衆衛生学教室 2国立公衆衛生院 3大阪大学
ページ範囲:P.593 - P.595
文献購入ページに移動人と人との関わりの中で生まれた一期一会の倫理は,現代社会において最も必要とされる振舞いである.しかし,老人に対する尊敬意識の低下,核家族化,精神的なものから物質的なものへの価値観の変化などが急速に起こってきた時代に育ってきた者に,「高齢化社会に対応するためには,一期一会の気持ちで人と接するようにすべきである」という意識に変えることは至難の技である.
現代の学生が特別養護老人ホームに実習に行くと,入浴,食事の介助,失禁交換などの介護に対して,機械化すべきであるという言葉が返ってくるのにびっくりさせられ,これは恐らく老人と暮らした経験がないため,話し掛けのチャンスや話題に苦慮した結果かもしれないと独り合点している.国は今後の高齢化社会に備えて,プライマリ・ケアを推進し,保健・医療・福祉の連携による包括的健康施策を打ち出しているが,そのための具体策はほとんど進行していないといえる.兵庫県医師会では,平成元年に痴呆性老人に対するこれら三者の連携状況に関する調査を行った.
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