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特集 提言—あすの公衆衛生
循環器疾患予防の観点から
著者: 小西正光1
所属機関: 1国立循環器病センター集団検診部
ページ範囲:P.20 - P.21
文献購入ページに移動わが国においては,昭和30年代後半から循環器疾患の疫学調査が実施され,わが国に多い脳卒中の成因について検討がなされた.それと同時に,疫学的な検討成績をもとに,予防対策がモデル地区を中心に行われてきた.対策の当初は,循環器検診により発見されたハイリスク者に対して重点的に指導を行い,ライフスタイルを改善することと,要治療者に対する受療の勧奨が対策の基本方針であった(2次予防対策).その後,対策が浸透していくにつれて,ハイリスク者に重点をおいた指導から,受診者全員に対する生活指導,栄養改善指導を取り入れ,1次予防活動が検診データを基盤として実施されるようになった.すなわち,2次予防から1次予防へ,医療から保健への転換であり,疾患予防から積極的な健康づくりへと展開していった.このようなモデル地区を中心とした循環器疾患対策は,実施地区における脳卒中発生率の減少,さらには寝たきり者数の減少という3次予防につながる成果を上げるとともに,わが国全体としての予防対策として,脳卒中予防特別対策,ついで老人保健法の制定など全国的な施策へと発展していった.
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