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特集 提言—あすの公衆衛生
環境保健
著者: 兜真徳1
所属機関: 1環境庁国立環境研究所都市環境影響評価プロジェクト
ページ範囲:P.34 - P.35
文献購入ページに移動近年の環境保健では,環境汚染による「四日市喘息」に代表される呼吸器系疾患,あるいは「水俣病」や「イタイイタイ病」などのすでに発生してしまった極端な健康影響に対する“後追い”対策から,さらに影響・リスクが示唆されている多種多様な汚染物質の影響に対する“前向き”対策が求められるようになっている.また,それら環境問題は「産業型」から「都市型」へ,さらには「地球型」へと移行してきている傾向もある.すなわち,環境保健の対象は,都市環境レベルでは,大気汚染のほか,日常的なストレスの原因となる騒音・振動,さらには有害廃棄物の問題が,また,地球環境レベルでは,地球規模の環境破壊(地球温暖化,オゾン層破壊,酸性雨,熱帯林の消失,砂漠化,海洋汚染など)が顕在化した今日,例えばオゾン層の破壊によって増加しつつある紫外線による影響・リスクの評価などが,緊急かつ重要な研究課題となっている.
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