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特集 産業保健と専門職の役割
衛生管理者
著者: 河野慶三1
所属機関: 1自治医科大学衛生学教室
ページ範囲:P.777 - P.780
文献購入ページに移動働く人の健康を守るための原則は,作業環境管理,作業管理,健康管理の3方向からの対策を労働の場で実施し,これに加えて労働衛生教育を行うことである.労働安全衛生法では,事業者に対してそのための体制づくりを義務づけ,それを「衛生管理体制」とよんでいる.衛生管理体制は,ヒューマン・リソースと組織に分けられるがヒューマン・リソースの主なものとしては,
(1)総括安全衛生管理者(第10条)
(2)衛生管理者(第12条)
(3)安全衛生推進者または衛生推進者(第12条の2)
(4)産業医(第13条)
(5)作業主任者(第14条)
があげられる.
総括安全衛生管理者の職務は,安全管理者,衛生管理者などを指揮することと,表1に示した事項を統括管理することである.「統括管理する」とは,表1の各事項が,「適切かつ円滑に実施されるよう所要の措置を講じ,かつ,その実施状況を監督する等当該業務について責任をもってとりまとめること」であると説明されている.そのため,労働安全衛生法は事業者に対して,工場長,作業所長,支店長などその事業場の管理責任をもつ者を総括安全衛生管理者として選任することを義務づけているのである.
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