icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生57巻11号

1993年11月発行

文献概要

保健行政スコープ

産業保健センター構想のねらい

著者: 原徳壽1

所属機関: 1労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課

ページ範囲:P.821 - P.823

文献購入ページに移動
1.はじめに
 労働者の健康を守るために,「常時50人以上の労働者を使用する事業場においては,医師の中から産業医を選任する」制度が定められている.この産業医の歴史は,法制的には昭和47年の労働安全衛生法の制定に始まるが,実質的には戦後の労働基準法時代(医師である衛生管理者),さらに戦前の工場法時代(工場医)に遡ることが出来る.この歴史の中で,産業医が対応する主要なテーマは結核であり,有害業務であった.これは社会全般の状況とも並行した課題であったといえる.
 近年,産業構造の変化は,第3次産業に従事する労働者の数を飛躍的に増大させるとともに,作業環境の大きな改善をもたらした.また,国民全体の高齢化が進むとともに,労働者の高齢化も著しく進んできている.さらに,社会環境の変化とも併せて,女性の職場進出も大きなものとなってきている.
 このような状況の下で,労働者の健康に関するテーマも大きく変化してきているといえよう,すなわち,有害業務に従事する労働者の健康管理はもちろんゆるがせに出来ない問題であるが,新たに,精神的なストレスの問題,高血圧や糖尿病などの成人病の問題などが大きな課題となってきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら