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特集 健康スポーツ科学の展開
スポーツ医学からの貧血予防対策—短期大学女子バレーボール選手の調査から
著者: 多田幸信1 千葉正2
所属機関: 1岩手県立千厩病院 2麻生東北短期大学
ページ範囲:P.854 - P.857
文献購入ページに移動近年,わが国のスポーツ人口の増加はめざましいものがあり,その要因はスポーツ少年団の増加,女性の積極的なスポーツへの参加,中・高年齢層のジョギング,ゲートボール人口の増加などであると思われる.
スポーツの実践は健康を維持・増進する目的であれ,世界で金メダル獲得を目標とするトップアスリートであれ,精神面の充実や心肺機能の向上など健康阻害因子を除去,防止するが,一方ではスポーツ外傷・障害をもたらすことも多い.国体空手道競技出場選手(延べ376名)の3年間にわたるアンケート調査でも,毎年約半数の選手が過去1年間に,なんらかの外傷・障害の経験があると答えている.外科系の外傷・障害が主であるが内科系の障害もみられ,なかでも貧血が高頻度にみられることは諸家の報告と一致している1,2).
1990年から岩手県一関市にあるA短期大学女子バレーボール部のメディカルチェック,栄養摂取状況の調査などスポーツ医学の面からサポートをしている.今回はスポーツ選手のなかでも比較的貧血が多いとされる女子バレーボール選手の貧血予防という視点から,栄養摂取状況からみた血液性状の変化についてわれわれの成績の一端を述べ,サポートの実践を紹介する.
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