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発言あり
学校給食
著者: 赤穂保1 石井良和23 豊川裕之4
所属機関: 1東京都教育庁体育部保健給食課 2日本栄養士会 3千葉市こてはし学校給食センター 4東邦大学医学部公衆衛生学
ページ範囲:P.81 - P.83
文献購入ページに移動あっけない幕切れであったが,1992年は学校給食の見直しをめぐる議論がマスコミにも再三取り上げられ,学校給食を考えるには充実した(?)年であったように思われる.戦前戦後を通じて時代の変遷とともに,学校給食の担うべき役割は変化してきたが,ここにきて,その今日的意義を問う形で「学校給食廃止論」が自治体の側から提起された.話題の中心となった埼玉県庄和町の学校給食の見直しは,「現行の小・中学校給食については教育的意義,学校運営,家庭教育の面から問題点もあり,必要はないものと判断」し,「よって,学校給食から弁当持参へと移行すべき」と結論づけている.
教育的役割については,学校給食法第2条の「学校給食の目的」に沿って考察を行い,それぞれ①基本的には家庭が責任をもって行うことが望ましく,多くを学校側に任せるものではない,②現状は教師との交流,友人との語らいなど,くつろぎの時間をとることは容易なことではなく,食事時間に限らず他の時間によっても十分可能,③同じメニューの食事を同じ量だけ,同じ時間内に食べさせることから多くの残菜がある,④各教科および特別活動などの教育課程を通して指導されなければ,十分にこの目標を達成させることはできない.学校給食に頼ることなく,家庭教育と合わせて指導が必要,などを理由に,弁当持参によっても十分教育目標が達成できるとしている.
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