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講座 10代のこころを診る—思春期相談のために・2
中学生の不登校
著者: 梶山有二1
所属機関: 1埼玉県立小児医療センター精神科
ページ範囲:P.124 - P.127
文献購入ページに移動中学生を精神発達理論からみると,思春期前期(P.Blos)1)にあたり,心身両面の急激な変化にともない,人格形成のための大切な発達課題を解決していかなければならない,いわゆる疾風怒濤にも例えられる時期の始まりでもある.昨今,不登校問題が,教育や心理,医学の領域を越え,大きな社会問題として取り沙汰されているが,その拡大傾向はとどまるところを知らない.1941年シカゴのJohnson2)が,「school phobia」を精神心理学的観点から報告したのを始まりに,本邦では,1960年鷲見3)が「学校恐怖症」の術語で報告し,以来今までに数多くの調査および研究報告がなされてきている.同時に文部省や教育委員会をはじめとして,各関連専門分野からも様々な不登校の子どもに対する理解の仕方から,精力的に対応,治療してきているにもかかわらず,年々着実に不登校件数が増加している事実はなんとも皮肉な現象といわざるを得ない.
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