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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生57巻3号

1993年03月発行

文献概要

特集 結核対策の最近の動向

結核菌(抗酸菌)の迅速診断法

著者: 齋藤肇1

所属機関: 1島根医科大学微生物・免疫学

ページ範囲:P.162 - P.166

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◆はじめに
 抗酸菌,なかんずく結核菌は発育が遅く,わが国で広く用いられている小川法による初代分離培養では集落初発までに少なくとも3週間を要し,最終判定は8週間とされており,発育に極めて長期間を要する.近年,世界的に結核が漸増傾向にあること,また米国において,HIV陽性あるいはAIDSにおける多剤耐性結核の集団発生があり,結核と診断されてから死に至るまでの経過が極めて速いことなどのため,結核の迅速診断,患者の早期治療が強く望まれている.
 ところで,最近の分子生物学的研究の進歩により,抗酸菌分野にもDNAプローブ,単クローン抗体,あるいはpolymerase chain reaction(PCR)により菌を迅速に検出・同定し,患者の早期診断・治療,周囲への感染防止に役立てようとする研究が鋭意進められている.以下,これらによる結核菌(抗酸菌)の迅速診断法についての現況を紹介したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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