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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生57巻3号

1993年03月発行

文献概要

保健行政スコープ

わが国の在郷軍人病対策

著者: 大井田隆1

所属機関: 1厚生省生活衛生局企画課

ページ範囲:P.222 - P.223

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1.はじめに
 1976年米国フィラデルフィアのホテルで,米国在郷軍人会(The Legion)が開催され,その時に,ホテル宿泊客およびホテル付近の通行人に原因不明の重症肺炎が集団発生したのであった.患者の発生状況は,宿泊客182人と通行人39人が発病し,うち29人が死亡した.患者の大部分が,米国在郷軍人とその家族であったことから,この病気は在郷軍人病(Legionnares' disease)と命名され,在郷軍人会会員とその家族の罹患率は6.6%にも達した.その原因究明のために米国CDCは調査を開始し,ようやく半年後に原因菌を発見した.その間に投じられた費用は200万ドルに達したという.病原菌はLegionella pneumophilaと命名され,この細菌が属する一群をレジオネラ属菌と総称し,以後これらの細菌による肺炎をレジオネラ症と呼んでいる.
 また,英国などの各国からもレジオネラ症の報告例が発表された.英国では1982年からレジオネラ症のサーベイランスを実施し,1989年までの7年間に毎年約200人の患者の報告があり,その40%は旅行関係患者で,その9割がスペイン,イタリア等の海外旅行者であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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