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特集 環境保全の地域政策
地球環境と企業経営のあり方
著者: 河野正男1
所属機関: 1横浜国立大学経営学部
ページ範囲:P.236 - P.239
文献購入ページに移動1980年代後半以来,地球温暖化,オゾン層の破壊,酸性雨,熱帯林の減少,砂漠化,土壌浸蝕,海洋汚染等の広域にわたる環境資産の劣化ないしその破壊問題が注目されている.20年前にも環境問題が世間の耳目を集めていた.公害問題である.1960年代後半から1970年代前半にかけて,DDT,BHC,PCB,有機水銀,カドミウム,CO,窒素酸化物,硫黄酸化物,合成洗剤,農薬等に起因する人体,農作物,魚介類等に対する被害が連日新聞やテレビで報道された.そして,水俣病,新潟水俣病,富山イタイイタイ病および四日市ぜんそくに関わる訴訟,いわゆる4大公害裁判の判決が出されている.
この時期は,日本経済が未曽有の高い成長をしていた.公害問題の原因が,高い経済成長に伴う大量の排出物や廃棄物にあるとの視点から,“くたばれGNP!”のキャンペーンが張られた.政府および企業は公害問題への緊急の対応を迫られた.
政府は,公害対策を総合的,統一的に実施するために,1967年に,公害対策基本法を制定したのを皮切りに相次いで公害関連の法律を制定していった.そして,1971年に公害対策を主たる所管業務とする環境庁が設置された.
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