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地域保健の総合的再構築に向けて
著者: 山根洋右1
所属機関: 1島根医科大学環境保健医学講座
ページ範囲:P.337 - P.340
文献購入ページに移動「日本中が楽しくなることに,私としてもなに一つ異論があるわけはないのだが,ただそういう状況の中で日本国民が,自分として本当はどうありたいのか,日本という国がどうあればいいのかを,主体的に集中的に考えること……サルトルの言葉を借りれば選択という行為を行うことが,ますますむずかしく,あるいはめんどくさくなってゆくだろうことは確かである」.
これは,今から32年前に劇作家木下順二が毎日新聞紙上で述べた言葉である(「日本が日本であるためには」1965).「日本人が日本人として主体的に考えを持つこと」,「この複雑微妙な状況の中で,日本人としての主体性を造出してゆくという課題」という言葉にも見られる木下順二の透徹した洞察は,現代日本の政治,経済,文化状況の混沌としたゆらぎの中で,医学に携わるわれわれにとっても,極めて重要な示唆を与えてくれる.
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