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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生57巻5号

1993年05月発行

文献概要

保健活動—心に残るこの1例

まだらボケを克服したTさん

著者: 吉田綾子1

所属機関: 1神奈川県茅ケ崎保健所

ページ範囲:P.354 - P.354

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 保健婦として20年が過ぎ,心に残る事例は数多くあるが,まだらボケを克服したTさんと,彼女を支えたSさん一家が印象深い.
 民生委員に相談されてSさんに会ったのは,もう10年も前になる.初対面のSさんは,女性に珍しい営業畑で,仕事をテキパキとこなす30代後半のキャリアウーマンであった.75歳になる義母のTさんにボケ症状が目立ち,老人ホームか病院を紹介してほしいという相談であった.聞けば,Sさんの夫は,10年前業務中に事故死.生後15日と2歳の娘,Sさん,65歳のTさんと女ばかり4人が残された.それまで専業主婦のSさんが働きに出て,Tさんが家事と育児をと,役割分担してがんばってきたとのことである.が,ここへ来てTさんにボケ症状が出て,このままでは家庭も仕事も崩壊していくのではないか,と考え相談したという訳であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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