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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生57巻6号

1993年06月発行

文献概要

特集 明日の医師像と医学教育

医師国家試験制度のあり方

著者: 糸川嘉則1

所属機関: 1京都大学医学部衛生学

ページ範囲:P.397 - P.400

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 医師国家試験の目的は医師法に規定されている「臨床上必要な医学及び公衆衛生に関して医師として具有すべき知識及び技能」を医師を志す者が確かに備えているか否かを判定することである.この目的をもって昭和21年に第1回医師国家試験が実施されてから,現在に至るまでにその制度は数回の改革が行われている.すなわち,初期には基礎医学科目も対象とされたり,論述形式の試験が行われたりした.また一時,口答試問が行われたりしたことがあった.しかし,これらは現在の国家試験では廃止されている.これは,図1に示すような受験人員の増加傾向に対応したり,できるだけ客観的な評価をしようという考え方や臨床実地を重視するという考え方が導入されたことなどの理由から,試行錯誤的に検討が行われた結果であると思われる.
 筆者は現在実施されている医師国家試験の方式は,かなり優れたものになっていると一応の評価はしているが,しばしば国家試験に関する論議の中で一度廃止された方式を採用した方がよいのではないかという意見を出す人もある.また,現在の医師国家試験制度に対してはまだ改良の余地があると多くの人が考えていることも確かである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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