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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生57巻7号

1993年07月発行

文献概要

特集 地域での寝たきりゼロ作戦

枚方保健所における骨粗鬆症予防—踵骨骨密度測定に基づく指導

著者: 鈴木雅丈1 畑中三成1 松本洋子1 坂井芳夫1

所属機関: 1大阪府枚方保健所

ページ範囲:P.467 - P.471

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◆はじめに
 寝たきりの主要な原因のひとつは,骨粗鬆症による骨折である.女性に多く,55歳頃より急増する.わが国では,すでにその患者数は300万とも500万とも言われており,人口の高齢化とともに今後さらに増加することが予想される.この骨折予備軍を抽出し骨折予防を図るだけでなく,新たな骨折予備軍をつくらないことが保健予防活動の重要な課題となっている.
 骨粗鬆症は従来,腰痛や背部痛などの症状があり実際に骨折が確認されて始めて診断できたが,これでは脳卒中を見て高血圧症を指摘するに等しく,寝たきり予防には結びつきにくい.欧米諸国においても脊椎圧迫骨折を有する症例を確実な骨粗鬆症と診断している.
 診断のための一定の基準を設けることが必要であるが,昭和63年に厚生省シルバーサイエンスプロジェクト「老人性骨粗鬆症の予防および治療に関する総合的研究班」(班長:折茂肇)によって新しい診断基準が提唱された(表1).これによると,骨粗鬆症の本質は主として骨量の減少であるとされ,3点のスコアになっている.ただし,単なる生理的加齢現象による骨量の減少ではなく,種々の要因によって骨の加齢が加速された,いわゆる骨の病的老化現象であることも付け加えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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