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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生57巻7号

1993年07月発行

文献概要

講座 10代のこころを診る—思春期相談のために・7

多動児の思春期

著者: 北道子1

所属機関: 1国立精神・神経センター精神保健研究所

ページ範囲:P.484 - P.486

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 1.多動児とはどのような子供たちをいうのか 多動というのは行動の一つのスタイルである.多動な子供は行動にまとまりがなく,混沌としているように見える.非常に気が散りやすく,一つの行動が長続きしないし,落ち着きがなく,衝動的な行動をしがちである.それゆえしばしば問題を起こしたり危険な目にあったりする.
 多分,こういった行動のスタイルとしての多動は,幼児期に親や周囲の人によって注目されることもあると思われるが,実際に相談機関にやってくるのは大部分,小学校入学以後である.落ち着きがなく,授業中自分の席にじっと座っていることがなく,先生の言うことなどはそっちのけで,前や後ろの子にちょっかいを出し,かと思うと立ち上がって教室の中を歩き回る.時には廊下を走ったり,隣の教室に侵入する.多動児といわれるのだが,単に多動だというだけではない子も多く,友達に相手にされず,どうしても孤立しがちとなり,時には癇癪を起こしたり,友人を殴ったとか,蹴ったとか,トラブルメーカーになることがある.相談機関に訪れるのはそんなふうになってからのことが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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