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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生57巻7号

1993年07月発行

文献概要

保健活動—心に残るこの1例

Uさんとの出会い

著者: 村井千賀1

所属機関: 1石川県小松保健所

ページ範囲:P.507 - P.507

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 私が,Uさんと出会ったのは,県保健所へ勤務して間もなくのことだった.当時21市町村と4保健所を担当し,訪問活動の中で1人の対象者に継続的な関わりを持つことが困難であり,ADLの自立に対する1度の指導で,果たして効果的な支援が可能であろうかなど,葛藤があった.
 その頃,市保健婦より,若年にもかかわらず,寝たきりになっている人の自立援助方法について相談があり,同行訪問することになった.訪問対象者のUさんは49歳の男性で,頸髄損傷であった.Uさんは仲間に胴上げをされた後,地面に落下し県立T病院にて,約2年間の入院生活を送った.入院期間中,訓練には熱心ではなく,臥床傾向が強く,退院時には,座位保持は20分ほどでめまいを訴え持続困難な状態にあり,ADLは食事のみが一応自立している状況だった.このため病院のリハスタッフからは,移乗動作など車椅子生活の自立は困難だろうとのことだった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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