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世界の保健・医療を取り巻く情勢と今後のWHOのポリシー
著者: 中嶋宏1
所属機関: 1世界保健機関
ページ範囲:P.1 - P.2
文献購入ページに移動1978年に「西暦2000年までに世界の全ての人々に健康を」というアルマ・アタ宣言が採択されて以来,15年が過ぎ,西暦2000年まであと残すところ,6年となりました.WHOの提唱し続けてきた「Health for All」という言葉はすでに世界各国に定着し,その実現のために,多くの国々,人々は地道な努力を続けてきています.その具体的な成果として,世界の保健指標に改善がみられています.例えば,乳児死亡率は1970年には出生1,000対97であったものが,1990年には65に低下し,同期間における平均寿命は57歳から64歳へと伸びています.一方,発展途上国における住民のプライマリ・ヘルス・ケアや清潔な水へのアクセスの向上といった,社会的な面での改善も認められています.
WHOの事業についても,この間に多くのことが成し遂げられています.予防接種拡大計画(EPI)の推進により,現在では全世界の80%もの子供たちが6種のワクチン接種を受けられるようになり,このうちポリオについては西暦2000年までにはその根絶が期待できるようになっています.
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