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特集 歯科保健医療の動向
世界の口腔保健対策の動向
著者: 鶴巻克雄12
所属機関: 1 2東京都歯科医師会
ページ範囲:P.708 - P.711
文献購入ページに移動口腔保健の目的が「口腔の健康を保つこと」にとどまらず,QOLを高め長寿社会へ大きく寄与していこうと,変わりつつある.
口腔保健を論ずるとき,人,場所,時間,歯科医学的要因の他に政治学,経済学,社会学,教育学といった分野からの知識の重ね合わせが必要となってくる.
世界各地で関係者間で話し合われるテーマは必ずしも歯科医学的技術論だけではなく,器械,材料,薬品,自動車,船,建物,通信,本,紙,お金といった歯科医療を供給するに必要な物についてはいうに及ばず,言語,人種,宗教といった人間が生きるために必要なすべてを背景においた議論がなされることになり,どの視点から口腔保健を論ずるのかを決めてかからなければ,しばしば混乱と対立を招き,誤解を生ずることになる.
このような多面化したアプローチの方法の異なる口腔保健を整理し,秩序立ててリードしているのは,世界保健機関(WHO)と国際歯科連盟(FDI)であろう.
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