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特集 水と公衆衛生
オゾン・活性炭処理による浄水システム—阪神水道企業団の現状
著者: 上田朔朗12
所属機関: 1(財)阪神水道企業団 2水質試験所
ページ範囲:P.775 - P.778
文献購入ページに移動自然の豊かさを強調するために,名水,湧水をそのまま飲んでいるテレビの場面が多い.そこまでグルメを求めたいのか.水温10℃前後で飲めば大体の水はおいしく感ずるものである.湧水がそれほど安全であるのか? 風土病・寄生虫の問題等を考慮せずに無塩素で飲んでいる姿を見ると,自然の恐ろしさを本当に知っているのだろうかと思えてならない.
水道水は塩素入りの毒水,浄水場が発ガン性物質(トリハロメタン等)の発生工場のようにいわれている.塩素は毒ガスであるが,人類の文化的な生活を保持する宝物でもある.明治初期の海岸都市のコレラ発生等を考え合わせる時,これほど役に立つ消毒剤はない.しかし,水に有機物が多く含まれている時,トリハロメタンが生成したり,味を悪くして問題視されている.
この現状を水道サイドで解決しようとしたのが,高度浄水システムである.
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