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特集 生活習慣と健康
健康づくりの視点からみた生活習慣
著者: 富田拓1 細谷憲政2
所属機関: 1茨城県健康科学センター調査研究部 2東京大学
ページ範囲:P.835 - P.839
文献購入ページに移動平成元年12月,公衆衛生審議会は,「保健事業の充実・強化策に関する意見」を具申した.「意見」は,健康診査によって生活習慣の改善が必要と判定されたものに対し,食生活や運動状況等の生活習慣の総合的な把握に基づき,個々人に即した具体的な生活改善指導を積極的に行う事業の必要性を強調している.これまでの公衆衛生活動は,そのターゲットを疾病の流行の抑止から疾病の発生の予防へ,さらには健康の維持・増進へと変化させてきた.この流れは,個々人の日常の生活のより近くへ,という流れでもある.意見具申を受けて,厚生省が平成2年度から導入した「生活習慣改善指導事業」は,ある意味では,この流れの必然的にたどり着くべきところであったともいえる.そしてまた,生活習慣改善指導は,一人ひとりの日常に密着する,という意味においては,これ以上遡ることのできないような,一つの終着点に近いとも考えられる.そもそも,Max Weberがライフスタイルという言葉を生み出したとき,それが将来,健康との関連において,改善を指導される対象となろうとは夢想だにしなかったに違いない.
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