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連載 地域精神保健の展開—精神保健センターの活動から・2
文献概要
地域精神保健活動に関して,宮城県は当初から市町村が積極的に参加した全国でも珍しい県である.身体に関わる保健活動にしろ,精神にしろ,住民の身近な場で援助されることが望ましいことはいうまでもない.地域保健の改革に向けてこの度の地域保健問題研究会より提言された「地域保健対策の基本的な在り方について」の中にも,身近で頻度の高い保健サービスは市町村で一元的に実施することが求められており,精神障害者の社会復帰対策や痴呆性老人対策等についても,保健所の協力の下に実施することが必要とされている.これが実施された時,市町村が従来のように精神保健に無関心であったり,避けるようなことは許されなくなるであろう.宮城県においては昭和31年に保健所において定例的な精神保健相談が始まった1)が,その時すでに市町村の保健婦が自分の受け持ちの患者や家族を伴って相談に訪れ,午後のケース検討会に参加し今後の訪問活動に役立てるという,現在の地域精神保健活動の兆しが見えている.しかし,全国のほとんどの市町村では,現在まで精神保健活動に手を染めておらず,地域精神保健活動のノウハウを持ち合わせていない.
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