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研究ノート
在宅ケアのあり方を探る—難病患者・高齢者の在宅生活に共通する状態像の検討から
著者: 秋田昌子1 石川左門2 松田正己3 丸地信弘4
所属機関: 1すみだ福祉保健センター 2東京地域ケア研究会 3(財)結核研究所国際協力部 4信州大学医学部公衆衛生学教室
ページ範囲:P.139 - P.142
文献購入ページに移動高齢社会の到来は,住民生活に種々多様な影響を及ぼし,従来の保健・医療・福祉における社会システムの課題を明確にした.そして,その課題解決と21世紀の超高齢化社会を支えるケアシステムの実現に向けて,老人福祉法と老人保健法の改正による老人保健福祉計画の策定が実施されつつある.高齢者が住み慣れた地域や家庭で生き生きと暮らしていくためには,在宅ケアが必要であり,自治体ではそのサービスやシステムの確立を急いでいる.
しかし,在宅ケアシステム確立への必要性は,今に始まったことではない.過去から現在に至るまで,その課題を切実に提起し続けてきた難病患者や障害者の在宅生活の実態があることを認識する必要がある.
高齢社会の問題は,人の加齢に伴う社会現象であるため,全住民的課題として注目されるが,難病や障害は特別な人たちだけの問題として扱われ,高齢社会の問題とは別だという意識を持ちやすい.ところが,疾病や障害が長期にわたり,在宅でのケアが必要であるという点においては,難病患者・高齢者という個別性を越えた共通性があり,在宅ケアの体制づくりが「高齢者」という枠に留まらず,人間生活における社会的課題であることを示している.
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