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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生58巻4号

1994年04月発行

文献概要

特集 行動医学へのアプローチ

行動科学と行動理論

著者: 内山喜久雄1

所属機関: 1筑波大学心理学

ページ範囲:P.266 - P.270

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◆行動理論
 1.行動理論の意味
 行動科学の理論的基礎は基本的には行動理論(behavioral theories)にあり,これによって裏打ちされている.つまり,行動科学とは行動論的(behavioral)な方向づけをその特性とする科学ということになる.したがって,行動科学,行動理論の意味を明確化するたあには,まず,「行動論的」という語の意味を明らかにし,かつ規定する必要がある.
 一般に,「行動論的」は行動(behavior)によって決定づけられ,方向づけられる方法,理論ないし現象を説明する場合に用いられる.したがって,生理的なものや,遺伝的なものの場合には行動論的とはいわない.ちなみに,心理学においても,行動は常に中心的な研究対象となってはいるものの,その概念は必ずしも明確ではなく,研究者の見解も一致していない.行動の定義の主なものを挙げてみても,生体の活動;特定の生体の観察可能な活動;生体の測定可能な活動;刺激に対する個人,種,ないし集団の反応;特定の生体の特定の反応;反応パターン全体の中の一部分反応;運動;個人ないし集団による主観的,客観的,観察不能ないし可能のすべてにわたる活動の総体等,まことに多岐にわたっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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