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文献概要
疾病対策の構造 生活環境を支えるシステム—水道・1
健康と病気を運ぶ水供給システム
著者: 小林康彦1
所属機関: 1(財)水道管路技術センター
ページ範囲:P.430 - P.433
文献購入ページに移動「公衆衛生」の皆さんとほぼ同じ目的を掲げ,その課題に工学的に取り組もうとするのが,水道,廃棄物など施設を軸に据えての生活環境の分野で,「衛生工学」をバックグランドにしている.しかし,両者の間の意思疎通は必ずしも十分でなく,もう少し積極的に共通の場での議論を盛んにすべきではないかと常々感じていた.
一方,水道,生活排水処理,廃棄物処理いずれも,健康を守り公衆衛生を向上させるためという役割のほかに,都市や産業を支える基盤サービスという性格がある.その側面に焦点を当て,「ごみ処理の基本は衛生対策を卒業してリサイクルにおくべきである」とか,「飲料水は容器入りか家庭での浄水器でよく,水道の水質は飲用を基準にすることはない」というような主張が一部で行われるようになっている.
それに対し,水道とは何か,ごみ処理の基本は何か,と,機会あるごとに内部への問題提起を行ってきたのが,東京都衛生研究所の倉科周介所長の目にとまり,今回の筆者の登場になった.
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