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調査報告
新規採用者の結核予防検診とツベルクリン反応パターンの経年変化—最近7年間の成績から
著者: 小倉千恵子1 木村みつる1 小川京子1 玉腰暁子2 山田琢之1
所属機関: 1名古屋市職員健康管理センター 2名古屋大学医学部予防医学教室
ページ範囲:P.592 - P.595
文献購入ページに移動戦後,結核の予防,治療のめざましい発展によりわが国の結核発病率,死亡率は大幅に低下した.しかし,1980年前後から罹患率の改善速度は鈍化している1).この鈍化の原因としてあげられるのは,(1)高齢者の排菌結核患者が少なくないこと,(2)結核未感染の若年者の増加,(3)ハイリスク集団(免疫不全を含めた)の多様化と時にみられる集中的な発生の他,(4)近年の国際化による結核蔓延地区からの人々の流入の影響も考えなくてはならない2).特に若年者の大部分が未感染でありBCG接種率も低下した現在では,排菌者に接触すれば十分感染発病の機会があるわけである.さらに中高年者は大半が既感染であり,また結核の治療者も多い.彼らが他の疾病をきっかけに結核が再燃,発病する率も決して低率ではなく,また発病しても無自覚でいることが多いため,未感染者が感染したときには集団発生につながることもある.したがって特に結核患者を診断,治療する職場や乳幼児を介護,教育する職場では,集団感染の危険を常に考えておく必要がある.
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