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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生58巻9号

1994年09月発行

文献概要

特集 現在からみる公害

チェルノブイル事故と放射能汚染

著者: 青木芳朗1

所属機関: 1東京大学医学部放射線健康管理学教室

ページ範囲:P.626 - P.630

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◆はじめに
 チェルノブイル原子力発電所4号炉の事故は,原子力平和利用の歴史の中で最大かつ最も不幸な出来事であった.事故の際に放出された放射能による環境汚染,人体への影響等につき,多数の学問的報告あるいはマスコミの報道がなされている.わが国への直接的な影響は極めて少なかったにもかかわらず,過度の報道等により,いろいろな憶測がなされてきたが,どれが真実で,どれが真実でないかという判断に苦しむ場合が多かった.
 実際にチェルノブイルを訪問して,現地で現在でも働いている研究者たちと話し合ってみると,彼らは思いの外冷静であることが分かる.しかし,信頼できる情報が与えられていなかった汚染,非汚染地域の住民の中には,不安やいらだちが多く認められたことも事実である.
 本稿では,できるだけ客観的なデータのみを用いて,チェルノブイル原子力発電所事故による環境への影響と,人体への早期あるいは晩期の影響について概説した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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