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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生58巻9号

1994年09月発行

文献概要

特集 現在からみる公害

地域における公害への対応

著者: 寺本辰之1

所属機関: 1愛媛県新居浜保健所

ページ範囲:P.631 - P.633

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◆はじめに
 昭和30年代から40年代にかけて,経済が目覚ましい発展を遂げるとともに,それまで見棄てられていた,その影の部分ともいうべき公害問題が各地で頻発した.その主要なものは四大公害病裁判として知られる熊本および新潟の水俣病,イタイイタイ病,四日市喘息であるが,これら以外にも多数の公害事例が発生した.公害患者の悲痛な訴えと,それに呼応する世論の高揚が昭和45年の公害国会における,公害関係14法案成立の大きな原動力となった.
 公害関係法の整備とともに,複数の省庁がもっている公害行政の一元化が期待されるようになり,昭和46年環境庁発足へと至った.環境庁の実質的初代長官大石武一は医師であるとともに,自然保護への並々ならぬ情熱を抱く適材であった.しかし,彼の環境保護行政への取組み方が,その後の環境庁のあり方を決定するには,長官在任1年間はあまりにも短すぎたといえるだろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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