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21世紀への食品保健行政
対物保健からヘルス・プロテクションへ—食品保健を例に
著者: 高原亮治1
所属機関: 1厚生省生活衛生局食品保健課
ページ範囲:P.653 - P.656
文献購入ページに移動公衆衛生サービスが対人保健と対物保健に区分された理由や経緯について筆者は詳らかには知らない.多分,保健所のプロトタイプが総務,予防(保健),環境に三区分されていることも多少関係があるかもしれない.しかし,総務課は,衛生教育や地域診断の基本となる衛生統計といった,公衆衛生の最重要課題を担っている(いた)はずであり,それゆえに,保健所の筆頭課の地位を有するということになっている(令達予算の執行ならスーパーのレジ打ち業務と大同小異であろう)し,予防(保健)業務の本来は,環境と人間の相関の観点から,健康インフラストラクチュア整備を住民の側面から進めるはずであって,臨床的責任もとれない体制で,新聞記事同然の保健指導にうつつをぬかす余裕はないはずなのである.さて,環境衛生業務についてであるが,たしかに表面的には,廃棄物や興業場,ビルなどの施設や,食中毒の処理,食品の収去検査など,ヒトというよりモノを相手にしているように見えるのは事実であり,対人保健とパラレルなターミノロジーとして対物保健という領域がカテゴリカルに存在しているようにみえるのも事実である.
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