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特集 公衆衛生の新たな地平
戦後の人口変動と人口政策
著者: 嵯峨座晴夫1
所属機関: 1早稲田大学人間科学部
ページ範囲:P.21 - P.24
文献購入ページに移動1960年ごろまでに,日本は人口転換を完了した.人口転換とは,人口が多産多死の段階から多産少死の段階を経て,少産少死に至る変化をいう.この人口動態上の変化は,最初に西ヨーロッパ諸国における近代化の過程で共通に現れたもので,いわば人口の近代化であった.西ヨーロッパ諸国の場合には,それは18世紀から20世紀にかけて150年以上もの長い時間を要したが,日本の場合には1920年以降のせいぜい40年を要したにすぎなかった.
日本は,近代化の後発国であり,人口転換の始まりも遅かった.「後発国ほど社会変動の同一局面を経過する時間は短くなる」といわれているように,日本の人口転換のスピードは極端に速いものであった.
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