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調査報告
脳血管疾患患者と家族の支援機能—都内3病院の退院患者と介護者の追跡調査から
著者: 奥山正司12 杉澤秀博3 高梨薫3 西田真寿美3
所属機関: 1十文字学園女子大学設置準備室 2十文字学園女子短期大学 3東京都老人総合研究所保健社会学部門
ページ範囲:P.706 - P.710
文献購入ページに移動脳血管疾患による死亡率は,戦後の1951年(昭和26年)から1980年(昭和55年)までの長期間にわたって死因のトップを占めてきた.その後,医学の進歩や食生活の改善などによって年々減少し,平成5年現在では「悪性新生物」,「心疾患」についで第3位まで落ち込んでいる1).しかし,ねたきり老人になった主な原因別の構成割合をみると,「脳卒中」「心臓病」「骨折転倒」「リュウマチ関節炎」「老衰」「その他」のなかでは,全国では第1位2),東京都においても,「その他」と「老衰」を除いた主な死因のなかでは依然として第1位を占めている3).また,東京都における65歳以上のねたきり老人数は2万400人にのぼり,6月以上のねたきり老人数はそのうちの約8割(1万6千人)にも達している4).このことは,脳血管疾患による高齢者の日常生活行動および彼らにかかわる介護者および介護者家族の問題を必然的に惹起させる.
ところが従来の研究では,日常生活動作能力の自立度がきわめて低い,いわゆる,ねたきり老人をかかえる介護者については,その健康や生活問題を解明した研究は少なくないが,ある程度自立度が確保されている者も含む脳血管疾患患者の家族の健康や生活状態についてはいまだ十分な解明がなされていない.
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