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薬物事犯の現状と課題
著者: 菊川縫子1
所属機関: 1大阪大学医学部公衆衛生学教室
ページ範囲:P.716 - P.719
文献購入ページに移動近年,国際的に共通の深刻な社会問題となっている課題のひとつに,麻薬・覚醒剤・あへん・大麻を中心とした薬物事犯がある.わが国では,これらの薬物を「麻薬取締法」,「覚醒剤取締法」,「あへん法及び大麻取締法」で厳しく取り締まってきたが,近年これらの薬物に似た強い依存性を有する向精神薬(睡眠薬・向精神薬など)の不正使用による薬物事犯の急激な増加が報告されている.
このような中で向精神薬の乱用防止を図るとともに,「向精神薬に関する国際条約」への批准に備えることを目的として,平成2年麻薬法の一部が改正され,「麻薬及び向精神薬取締法」が制定された1).
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