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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生59巻11号

1995年11月発行

文献概要

特集 高度化された食品・栄養システムの現状と課題

バイオテクノロジーの食品開発への応用

著者: 井上善晴1 木村光1

所属機関: 1京都大学

ページ範囲:P.747 - P.751

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はじめに
 1953年,ワトソンとクリックによって遺伝子の本体であるDNAの構造が2重らせん構造であることが明らかにされ,分子生物学は飛躍的に発展した.特に,1980年代半ばに起こったバイオブームは,それまで一部の人々の間での使用に限られていた遺伝子とかDNAといった言葉を一般語に変えた.
 遺伝子は今さら言うまでもなくDNAによって構成されている.DNAはデオキシリボ核酸であり,糖と塩基とリン酸からなっている.塩基部分はアデニン(A),グアニン(G),シトシン(C)およびチミン(T)の4つの種類があり,AはTと,GはCとペアーを形成する.このA,G,C,Tの4種類の塩基の鎖が遺伝子の本体であり,そこに生命に必要な様々なタンパク質の暗号がコードされている.タンパク質はアミノ酸という物質が連なった鎖であり,生物は20種類のアミノ酸だけを使う.1つのアミノ酸を決めるのに,4種類の塩基のうち3種類の塩基が対応する.この遺伝情報の暗号の使い方は,人間のような高等な生物から大腸菌のような下等な生物まですべて共通である.このことは,生命が共通の祖先から進化してきたことを物語っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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