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特集 労働によるストレスと健康
労働によるストレス疾患と対策—心身症と行動異常
著者: 野村忍1 末松弘行1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院心療内科
ページ範囲:P.99 - P.101
文献購入ページに移動現代社会は,技術革新,国際化,高齢化社会,バブルの崩壊による深刻な不況など多くの難問に直面し,一億総ストレス時代といっても過言ではない.最近,労働省の行った約16,000名の労働者を対象としたアンケート調査では,約65%の人々がなんらかのストレスを強く感じていることを報告している.労働安全衛生法が6年前に改正され,その中でストレスによる心身の病気に対する対策の必要性が強調されるようになり,その指導要項が出されている1).
ところが,ストレスは目に見えないもの,個人によって受け止め方が違う,あるいはプライバシーの問題などがあってなかなか有効な対策が立てられていないという現状である.最近になって,各企業では職場のメンタルヘルスに力を入れ始めて,各種の試みが行われるようになってきている.単なる病気の早期発見,早期治療からストレス病の予防そして積極的な健康づくりの時代へと変わりつつある.ここでは,ストレスとはなにか,ストレスの反応,ストレス関連疾病,ストレス評価法について述べる.
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