文献詳細
特集 水銀汚染—水俣病よりグローバルな環境問題へ
ブラジル・アマゾン水域の採金による水銀汚染調査
著者: 原田正純1 中西準子2 小沼晋2 大野浩一2 赤木洋勝3
所属機関: 1熊本大学医学部遺伝発生研究所 2東京大学環境安全研究センター 3国立水俣病研究センター
ページ範囲:P.307 - P.311
文献概要
全長6,749km,1,100の支流をもつアマゾン川の360万km2という広大な水域(アマゾニア)の水銀汚染といわれてもなかなか実感がわかなかった1).河口の幅は320km,最も流量少ない時期で1日4億トン(わが国のすべての用途の水使用量が1日2.5億トン)といわれるから,仮に水銀で汚染されても希釈されて生態系にはほとんど影響がないのではないかと考えていた.しかし,今までの局所的・部分的調査によってみても事態はあまり楽観的にみておれないようである1〜3).
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