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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生59巻7号

1995年07月発行

文献概要

視点

職場の安全—非定常的作業の危険

著者: 坂部弘之1

所属機関: 1産業医学振興財団産業医学情報室

ページ範囲:P.442 - P.444

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 一般に,生産工程はいったん始動すると相当長期にわたって稼働する.工程の運転とそのための労働は定常化する.工程では,しばしば有害な化学物質が取り扱われ,また有害物質が発生する.しかし,これらは労働者に有害な影響を与えることのないように工業的対策を中心に種々の対応が行われ,有害物は厳重な管理下におかれ,定常的労働の安全の確保がはかられている.今,ここで取り上げ検討したいのは非定常的作業である.定常的作業が円滑に行われるためには,作業工程の点検,修理,清掃などが不可欠である.しかし,これらの作業は定常的作業とは異なる目的,性格をもつものであり,定常的作業とは別に非定常的作業として区別してみると,作業場には非定常的作業は少なからず存在する.その作業は臨時的であり,作業期間は短く,多くの場合,いわゆる汚れ作業で,また危険を伴う場合もある.そうしたことから,非定常的作業はしばしば下請けに発注される.作業が日常的性格のものならよいが,時に労働衛生についての高次の知識を必要とするものもある.過去に経験された例の中から二,三振り返ってみよう.まず,筆者の経験であるが,1963年11月に四日市の大気汚染調査に行き,労働基準監督署を訪問した時,ある事件の意見を求められた.それは,某油化工場の水缶定期修理工事の際に6人の患者が発生したが,その原因は何であったのかという質問であった.工場のボイラー室の中の水管を流れる水を加熱するためにオイルを燃焼する.使用するオイルは主としてC重油である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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