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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生59巻9号

1995年09月発行

文献概要

連載 疾病対策の構造

高齢の変質

著者: 倉科周介1

所属機関: 1東京都立衛生研究所

ページ範囲:P.640 - P.643

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 わが国では,社会と病気の角逐は前者の有利に展開してきた.このシリーズの冒頭でも言及したが,平均寿命が世界の首位に立ったという事実は,その何よりの証明である.他の諸国でも,社会構造が曲がりなりにも維持されて発展を続ける限り,こうした傾向は同様だと考えてよい.逆に社会構造が解体したらどうなるか.その実例をわれわれはソ連邦崩壊後のロシアに見ている.平均寿命の伸びは停滞し,さらには短縮する懸念もあると伝えられる.ちょうど半世紀の昔,わが国もロシアに酷似する状況からの再出発を強いられた.現状を絶頂とみて,きたるべき世紀の暗雲を予言する向きもある.死の質の変貌の足どりを追って,将来を考えることにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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