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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生6巻2号

1949年08月発行

文献概要

綜説

食物中毒の衞生學

著者: 八田貞義1

所属機関: 1日本醫科大學

ページ範囲:P.71 - P.80

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食物中毒とは何か
 食物中毒(Food Poisoning)とは,普通は立派な肉類其の他飮食物を攝つて稀に惹起する急性の中毒症を一括して呼んでいるのであつて,決して,食物による健康障碍一般(Food Injury)を指すものではない。
 即ち取扱う食物中毒とは,狹義に解釋して細菌に因するものと限局されている。從つて細菌性感染なるを表現する食物感染(Food Infection)なる語が最も適當かも知れない。但し食物を介して人を罹患せしむるものゝ中にも,彼の赤痢,コレラ,腸チフス,パラチフスや牛乳感染等でも來るヂフテリア,猩紅熱等の傳染病は除外する。これ等の諸疾患は,假令食物を介して來ても他に多くの傳染經路が認められるので,各自に全く別個に取扱うべきものであるからである。斯く現時は食物に因する細菌性の急性胃腸炎疾患にのみ食物中毒症なる名稱を與えているのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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