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特集 生活をささえる防災計画—阪神・淡路大震災の教訓
災害にそなえる保健医療対策
著者: 北岡修1
所属機関: 1兵庫県西宮保健所
ページ範囲:P.263 - P.266
文献購入ページに移動それこそ瞬刻に発生した大災害であった.それ自体,われわれの心底を震憾させるものであったが,それ以上に阪神間には地震なしとしていた自分自身の甘さに鉄槌をくだされた思いだった.しかも,その後「サリン事件」という無限の拡大性を秘めた人災が引き起こされるにいたっては,筆者は二重の衝撃を味わうことになった.
数年以上にわたって続いている地球全体の異常気象,世界中の政情不安定,精神荒廃を思わせる数々の事件発生,「エイズ」問題あるいは歯止めのきかない自然破壊などから筆者は現代文明の崩壊が始まったと考えていた.それにもかかわらず,そうした問題の中に自己を埋没させず,自身および自身を取り巻く身近なところは無事として,危機状況は所詮他事(よそごと)として見ていた自分を発見し,強く反省させられたのだった。
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